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FutureNet
NXR,WXRシリーズ
WANインタフェース編
5. 冗長化設定
5-6. メインPPPoE+バックアップPPPモバイル構成(リンク監視)
この設定例では、メイン回線にPPPoE、バックアップ回線にPPPモバイルを利用します。そして、メイン回線のリンク状態を監視し、障害を検知した場合にのみバックアップ回線を接続します。
【 構成図 】
<正常時>
<ppp0インタフェース障害時>
- メイン回線であるppp0インタフェースでの障害を検知するためにリンク監視を行い、障害検知後、バックアップ回線であるppp1インタフェースを有効にし、通信を継続します。
【 設定データ 】
設定項目 | 設定内容 | |||
---|---|---|---|---|
LAN側インタフェース | ethernet0のIPアドレス | 192.168.10.1/24 | ||
WAN側インタフェース | PPPoEクライアント(ethernet1) | ppp0 | ||
ppp0インタフェース (メイン側) |
ppp0のIPアドレス | 動的IPアドレス | ||
IPマスカレード | 有効 | |||
SPIフィルタ | 有効 | |||
MSS自動調整 | オート | |||
IPリダイレクト | 無効 | |||
ISP接続用ユーザID | test1@example.jp | |||
ISP接続用パスワード | test1pass | |||
mobile0 | ppp1 | |||
ppp1インタフェース (バックアップ側) |
ppp1のIPアドレス | 動的IPアドレス | ||
IPマスカレード | 有効 | |||
SPIフィルタ | 有効 | |||
MSS自動調整 | オート | |||
IPリダイレクト | 無効 | |||
PPP接続用ユーザID | foma | |||
PPP接続用パスワード | foma | |||
APN | mopera.flat.foma.ne.jp | |||
CID | 5 | |||
PDPタイプ | IP | |||
発信用電話番号 | *99***5# | |||
ダイアルタイムアウト | 30秒 | |||
ネットイベント | No. | 1 | ||
動作 | connect | |||
スタティックルート | No.1 | 宛先IPアドレス | 0.0.0.0/0 | |
ゲートウェイ(インタフェース) | ppp0 | |||
ディスタンス | 1 | |||
No.2 | 宛先IPアドレス | 0.0.0.0/0 | ||
ゲートウェイ(インタフェース) | ppp1 | |||
ディスタンス | 10 | |||
トラック | No.1 | 監視方式 | リンク監視 | |
インタフェース | ppp0 | |||
イニシャルタイムアウト | 30秒 | |||
LED | AUX1 | ppp0アップ時点灯 | ||
AUX2 | ppp1アップ時点灯 | |||
DNS | サービス | 有効 | ||
FastFowarding | 有効 |
【 設定例 】
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxr120(config)#interface ethernet 0
nxr120(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
nxr120(config-if)#exit
nxr120(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 0 1
nxr120(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 1 10
nxr120(config)#track 1 interface ppp 0 initial-timeout 30
nxr120(config)#interface ppp 0
nxr120(config-ppp)#ip address negotiated
nxr120(config-ppp)#ip masquerade
nxr120(config-ppp)#ip spi-filter
nxr120(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxr120(config-ppp)#no ip redirects
nxr120(config-ppp)#ppp username test1@example.jp password test1pass
nxr120(config-ppp)#exit
nxr120(config)#interface ppp 1
nxr120(config-ppp)#ip address negotiated
nxr120(config-ppp)#ip masquerade
nxr120(config-ppp)#ip spi-filter
nxr120(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxr120(config-ppp)#no ip redirects
nxr120(config-ppp)#ppp username foma password foma
nxr120(config-ppp)#mobile apn mopera.flat.foma.ne.jp cid 5 pdp-type ip
nxr120(config-ppp)#dial-up string *99***5#
nxr120(config-ppp)#dial-up timeout 30
nxr120(config-ppp)#netevent 1 connect
nxr120(config-ppp)#exit
nxr120(config)#interface ethernet 1
nxr120(config-if)#no ip address
nxr120(config-if)#pppoe-client ppp 0
nxr120(config-if)#exit
nxr120(config)#mobile error-recovery-reset
nxr120(config)#mobile 0 ppp 1
nxr120(config)#system led aux 1 interface ppp 0
nxr120(config)#system led aux 2 interface ppp 1
nxr120(config)#dns
nxr120(config-dns)#service enable
nxr120(config-dns)#exit
nxr120(config)#fast-forwarding enable
nxr120(config)#exit
nxr120#save config
【 設定例解説 】
1. <LAN側(ethernet0)インタフェース設定>
nxr120(config-if)#ip address 192.168.10.1/24
ethernet0インタフェースのIPアドレスを設定します。
2. <スタティックルート設定>
nxr120(config)#ip route 0.0.0.0/0 ppp 1 10
デフォルトルートを設定します。なお、ppp0インタフェースアップ時はppp0インタフェースのルートを、ダウン時はppp1インタフェースのルートを利用するように設定します。
(☞) インタフェース名の後の数字は、ディスタンス値です。ディスタンス値でルートの重みづけを行い、優先度を決定します。
3. <トラック設定(リンク監視)>
リンク監視設定をトラックNo.1に登録します。リンクダウン後、トラックをダウン状態に遷移します。
(☞) インタフェースのリンク監視設定時、初期のトラック状態はイニット(init)で、ppp0インタフェースのリンクアップ後、トラックはアップ状態となります。なお、ppp0インタフェースがリンクダウン状態の場合、トラックはダウン状態にはなりません。そのため、設定したタイムアウト時間が経過した場合、トラックをダウン状態にするためにイニシャルタイムアウトを設定します。
4. <WANメイン側(ppp0)インタフェース設定>
nxr120(config-ppp)#ip address negotiated
ppp0インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、negotiatedを設定します。
nxr120(config-ppp)#ip spi-filter
nxr120(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxr120(config-ppp)#no ip redirects
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。また、TCP MSSの調整機能をオート、ICMPリダイレクト機能を無効に設定します。
メイン回線のISP接続用ユーザIDとパスワードを設定します。
5. < WANバックアップ側(ppp1)インタフェース設定>
nxr120(config-ppp)#ip address negotiated
ppp1インタフェースのIPアドレスが動的IPアドレスの場合は、negotiatedを設定します。
nxr120(config-ppp)#ip spi-filter
nxr120(config-ppp)#ip tcp adjust-mss auto
nxr120(config-ppp)#no ip redirects
IPマスカレード、ステートフルパケットインスペクションを有効に設定します。また、TCP MSSの調整機能をオート、ICMPリダイレクト機能を無効に設定します。
バックアップ回線のPPP接続用ユーザIDとパスワードを設定します。
APN,CID,pdp-typeを設定します。
nxr120(config-ppp)#dial-up timeout 30
発信用の電話番号およびダイアルタイムアウトを設定します。
(☞) 電話番号の#の前の数字は、CIDを表しています。
ネットイベントを設定します。
trackコマンドで指定した監視方式で障害を検知した場合に、実行する動作を指定します。
ここでは、track 1コマンドで指定したリンク監視で障害(ppp0インタフェースダウン)を検知した場合、ppp1インタフェースでPPP接続を行います。
6. <ethernet1インタフェース設定>
nxr120(config-if)#no ip address
nxr120(config-if)#pppoe-client ppp 0
PPPoEクライアントとしてppp0インタフェースを使用できるように設定します。
7. <モバイルエラーリカバリー設定>
モバイルデータ通信端末との通信に重大な問題が発生する可能性が高いと判断した場合、モバイルデータ通信端末のリセットを行うように設定します。
8. <モバイル割り当て設定>
mobile0と認識されているモバイルデータ通信端末とppp1インタフェースの関連づけを行います。
モバイルデータ通信端末をPPPインタフェースで使用する場合は、mobileコマンドによるPPPインタフェースへの関連付けが必要になります。
(☞) mobile0に割り当てられているモバイルデータ通信端末の情報は、show mobile 0コマンドで確認することができます。
9. <システムLED設定>
nxr120(config)#system led aux 2 interface ppp 1
ppp0インタフェースのアップ/ダウンをaux1 LEDで、ppp1インタフェースのアップ/ダウンをaux2 LEDで表示するように設定します。
10. <DNS設定>
nxr120(config-dns)#service enable
DNSサービスを有効にします。
11. <ファストフォワーディングの有効化>
ファストフォワーディングを有効にします。ファストフォワーディングを設定することによりパケット転送の高速化を行うことができます。
(☞) ファストフォワーディングの詳細および利用時の制約については、NXR,WXRシリーズのユーザーズガイド(CLI版)に記載されているファストフォワーディングの解説をご参照ください。
【 端末の設定例 】
IP アドレス | 192.168.10.100 |
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.10.1 |
DNS サーバ |
目次
- 1. Ethernet設定
- 2. PPPoE設定
- 3. PPPモバイル設定
- 4. WiMAX設定
- 5. 冗長化設定
- 5-1. PPPoE冗長化構成(回線冗長)
- 5-2. PPPoE冗長化構成(回線冗長)+ECMP設定
- 5-3. PPPoE冗長化構成(回線冗長)+PBR設定
- 5-4. メインPPPoE+バックアップEthernet構成
- 5-5. メインEthernet+バックアップPPPoE構成
- 5-6. メインPPPoE+バックアップPPPモバイル構成(リンク監視)
- 5-7. メインPPPoE+バックアップPPPモバイル構成(Ping監視)
- 5-8. メインEthernet+バックアップPPPモバイル構成(Ping監視)
- 5-9. メインPPPoE+バックアップWiMAX構成(Ping監視)
- 5-10. VRRP冗長化構成(メインPPPoE+バックアップモバイル)
- 5-11. VRRP冗長化構成(メインEthernet+バックアップモバイル)